熊野、白浜

2004.10.9-11



  世界遺産に登録が決まった熊野古道。これは是非行かねばなりませんね。ついでに幻の魚クエも食べなければ!そんな使命感(?)を背負っていってきました。 出発はいつものとおりに金曜日の夜。このときは台風22号が接近しており雨風ともにとても強い中出発しました。高速道路はいつ通行止になるのかわからないため下道を延々走って行くことに。途中何度も今回の旅行をあきらめようかと考えちゃいました。四日市では目の前の車が水溜りでスピンするのを目撃したりしちゃいまいました。そんな中、なんとか名阪国道の伊賀SAまでたどり着き、ここで車中泊し朝を迎えました。



10/9



黒潮市場
 朝の7時ごろ伊賀SAを出発し、ちょうどお昼頃マリーナシティに到着。マリーナシティ内の黒潮市場でお昼を食べるのを楽しみにがんばってやって来ました。ところが、着いてみたら台風22号の接近によりお店はほとんど開いていません。開いていたのは海鮮丼屋と和歌山ラーメン屋のみ。しかも、団体客向けの準備もしているので一般客で大混雑。なんとか右写真のマグロ丼(クマ兄さん)とネギトロイクラ丼(ペンギン姉さん)を食べることができました。でも、量は少なく値段は高い。イマイチでした。黒潮市場内は昭和の町並みを再現したようでそれなりの雰囲気が出ていました。台風が来てなくてもっと活気があったらもっと良い印象を受けたんだろうけどね。残念です。




県立自然博物館
 マリーナシティではお土産屋さんや温泉も開いていなかったためかなりがっくりきてました。次にどこへ行こうか思案しているときにすぐ近くに県立自然博物館があるのを思い出し行ってみることに。県立の自然博物館なのでそれほど期待せずに行ってみると博物館の半分以上が水族館になっているじゃないですか。一番大きい水槽にはロウニンアジが群れをなして泳いでいます。その他にも和歌山県沿岸の魚が地域ごとに分けられて展示してあります。入館料460円にしては豊富な展示内容でした。自然博物館というだけあって水族館のほかにも山の動物や昆虫の標本展示や岩石の展示などもありました。右写真は生きているマムシです。ほかにもペットとして飼われていて捨てられたカミツキガメなども展示してありました。なかなかの展示内容でクマ兄さんは満足でした。



道に迷う
 自然博物館を見学したあと、明日の熊野巡りも考慮して十津川村経由で勝浦方面へ移動することにしました。十津川村は最近では村中の温泉が「源泉かけ流し」を宣言したことでも有名になりましたね。実は日本一大きい村としても有名な所です。この十津川村へ向かうために海南市から国道24号を東へすすみ、国道168号を目指していました。ところが、カーナビが勝手に(便利機能の落とし穴)近道を検索。国道168号線の手前にある県道732号線を右折してしまいました。さらにカーナビに頼ったクマ兄さんは県道732号線からも外れ車一台がやっと通れる位の狭い道を進むことに。台風の影響で雨が強く降り、道路には枯葉がたくさん落ちて車は何度もスリップ。そんな中、一時間ほどかかってたどり着いた場所は七霞山頂上。左写真がその場所です。クマ兄さんが車に積んでいた全国版地図マップルには道はのっていません。しかし、Uターンして戻るよりこのまま進んだほうが良さそうにカーナビ上の地図ではなっていたため、さらに進んでいきました。そのとき撮った写真が右写真。左は山、右は崖と結構やばい道でした。ちなみに車は目いっぱい道路の左側に寄せています。そんなこんなで七霞山から三十分ほど走ると何とか国道168号線に出ることができホッとしたのでした。この間、すれ違った車は七霞山頂上付近で2台だけでした。



谷瀬の吊り橋
 十津川村の観光名所の一つ、谷瀬の吊り橋。この吊り橋は長さ297m、高さ54mを誇る日本最大級の吊り橋です。吊り橋を渡り始めると足元はすぐに地から離れ宙の上、といった感じです。橋もかなり揺れます。橋の上には「危険ですから一度に20人以上はわたれません」と書いてあります。クマ兄さんは写真を撮りたい一心で真中くらいまでスタスタと行ってしまいましたが、ペンギン姉さんはかなり怖かったようですぐに引き返してしまいました。



風屋ダム
 谷瀬の吊り橋体験後、国道168号線を南下すると日もすぐに暮れてしまいました。しばらく走るとダムの放流を行っておりしかもライトアップされているところに通りかかりました。後から調べたら風屋ダムと思われます。夜の放流は結構オツなもんですな。



道の駅 十津川郷
 国道168号線沿いを走ると道の駅「十津川郷」があったのでトイレ休憩、と思いきや足湯があるじゃないですか。トイレを済ませたらさっそく足湯にチャポン。30分ほど浸かって足の疲れを取りました。足湯に浸かるととっても足が楽になるんだよね。観光客、村民、店員などを含めて付近にいるのはクマ兄さんとペンギン姉さんのみ。夕方6時で付近は真っ暗はけっこう怖いっす。



 この日はこのあと新宮市まで移動し、新宮市内の回転寿司で夕食。その後、勝浦の温
泉に入ってから、再び新宮方面に戻り、三重県の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」で車中泊
となりました。



10/10



熊野速玉大社
 この日は熊野詣でをすることにしていました。なので朝一から熊野早玉大社に参拝。熊野速玉大社は、熊野三山のひとつとして全国に祀る数千社の熊野神社の総本宮なんだそうです。左写真は熊野速玉大社の入り口。小ぢんまりといていて全国の熊野神社の総本宮なんて感じには見えませんでした。右写真は八咫烏(やたがらす)神社。八咫烏については後ほど説明しましょ。
 左写真は手洗い場。竜の口から水が出ています。右が社殿。訪れたのが朝の8時だったのでとっても気持ちよかったです。さらに台風22号が離れていったため台風一過の晴天でした。熊野三山の中で唯一平らな場所にあるそうです。確かにほかの二箇所は歩くのが大変でした。このページの下のほうで紹介してます。



浮島の森
 「新宮藺沢浮島植物群落」として国の天然記念物に指定されている浮島の森。島には130余種の植物が茂っていて寒い地方暑い地方で育つ両方の植物が混在している森です。クマ兄さんは植物には疎いので見ても良くわかりませんでしたがガイドさん(ボランティア)が熱心に解説してくれました。メダカも泳いでいたりします。島の上でジャンプするとボヨンボヨンと揺れるので浮島だ!と実感できます。入場料は100円でした。



神倉神社
 浮島の森の入り口で解説してくれるおばちゃんに聞いてやってきた神倉神社。熊
野速玉大社の境外摂社だそうです。日本有数の火祭りの一つとして知られている
「お燈まつり」で有名な神社なんだそうです。このお燈まつりは女人禁制なんだっ
て。



熊野那智大社
 駐車場から歩いて数分のところにある那智山参道入り口の階段(左写真)。この階段を上っていくと熊野那智大社に行くことができます。途中にはお土産屋さんなどが数軒あります。右写真は熊野那智大社の拝殿。
 日本一のジャンボみくじ。ペンギン姉さんががんばっておみくじを振ってポーズを決めてくれました。結構重たいです。
 左写真は拝殿の脇に生えている那智大楠。平重盛が参詣の際、手植したものと言われています。右写真は拝殿の後ろにある展望所からみた五重塔(?)と那智大滝。前日の台風22号で水の量が増えていて迫力満点の滝でした。
 日本建国を目指す神武天皇が和歌山県熊野地方で遭難したとき、高天原から一羽の大きなカラスが遣わされ、一行の道案内をしたという物語が「日本書紀」や「古事記」に載せられているそうです。そのためこの八咫烏は勝利の遣いとして崇められています。烏が勝利の使いで崇められるなんて現代の烏とは大分扱いが違いますね。サッカーの日本代表選手のユニフォームにも使われているのは有名ですね。



NHKの撮影
 クマ兄さんとペンギン姉さんが訪れた日、時間、ちょうどNHKの生放送が行われていました。そのために普段では見れないものがたくさん見ることができました。生放送って時間との戦いなんだね。
 リハーサルと撮影本番を交互にこなしていました。数分撮影しては15分程度インターバル、という感じで撮影が進んでいました。クマ兄さんとペンギン姉さんも映ったんだよ。生放送だったので見ることができなかったけど。



那智大滝
 那智大滝は国指定名勝、御滝水は“日本名水百選”、滝の水の落ちる音は“音のある風景百選”に選ばれているそうです。水の量は毎秒1t程度だそうですが、落ちてきた水はかなりの量が途中で霧状になっていました。



昼食
 那智大滝から駐車場へ戻る途中にたくさんのお土産屋さん、食堂が並んでいたので適当なお店に入って昼食に。左はペンギン姉さんが注文した蕎麦。右はクマ兄さんが注文しためはり寿司。めはり寿司とは塩漬けした高菜の葉でご飯を包んだ郷土料理です。クマ兄さんは高菜の葉が好きなので美味しくいただきました。



 熊野那智大社の次は熊の本宮大社へ移動。のんびりドライブで2時間程度かかりました。国道168号線沿いを熊野川に沿って走っているときの車窓は四国の四万十川上流を思わせるような風景でした。この道のドライブはオススメですね。



熊野本宮大社
 熊野本宮大社は新宮や那智よりもこじんまりとしたところでした。でもこれでも全国に3000以上ある熊野神社の総本宮なんですよ。左写真は入り口の鳥居。右が社殿の入り口。ここから先はは撮影禁止でした。
 熊の古道を歩くクマ兄さん。実は社殿から駐車場まで行く道の途中に古道があり、ほんの10m程度だけ歩きました。昔の人は熊野詣でをするためにこんな道を何日も歩いたんだね。
 熊野本宮大社御用達の珍重庵。もうで餅とよばれるお菓子が有名です。抹茶付きで315円。お参りのあとの一服に最適です。
 ところで、クマ兄さんとペンギン姉さんがこのお店でもうで餅を食べているときのこと。二人は四人がけテーブルに向かい合って座っていました。店内は結構混んでいて途中から相席することになりました。そこへ来たのが腕に刺青をしているヤクザ。ちなみにクマ兄さんはヤクザが大嫌いです。そのヤクザはお腹が空いているらしく「ビールと・・・めはり寿司って何?」と店主に聞いています。店主は「たかな(高菜)の塩漬けをご飯に巻いたお寿司です」と説明。するとヤクザは「さかな(魚)の塩漬けをご飯に巻いたやつだって。じゃあこれにするか。」と話をしています。クマ兄さんは心の中で「バーカ、バーカ」と思いながらそそくさと店を後にしたのでした。
 熊野本宮の大鳥居(左)。田んぼの真中にドドーンと立っています。その昔、100年以上前には熊野本宮大社はこの大鳥居の向こう側の林の中にあったそうです。しかし、明治の大水害で倒壊してしまい、現在の場所に移されたとか。昔ここに大社があったということを示すために、日本一と称する本当に大きな鳥居が後に建てられたそうです。右の写真は本宮大社のあちこちに描かれている八咫烏。ちゃんと足が三本あるでしょ!?



 本宮大社をお参りした後は本日の宿がある白浜へ。途中チョコチョコと写真をとりながらドライブしました。



滝尻王子
 この王子社は岩田川と石船川の合流する場所にあります。この滝尻王子から本宮までは厳しい山道となり、ここから先が熊野の霊域とも言えるのだそうです。この滝尻王子のすぐ近くに熊野古道館があるのでここで熊野古道について勉強できます。クマ兄さんとペンギン姉さんはビデオ上映を見てました。



 熊野古道を少しだけ体験し、白浜へ。まだ辺りが明るかったので三段壁へ行ってきました。



三段壁
 三段壁は高さ50〜60メートルの断崖。昔、漁師達が船や魚の群れを見張った場所「見壇」に由来すると言われています。自殺の名所にもなっているらしく右上写真のような看板が断崖の際から5mくらいのところに立っていました。そんな場所なのに釣りキチたちはお構いなし。左写真を見ても釣りキチのすごさがわかるでしょ。



円月島
 白浜のシンボル的存在、円月島。ちょうど日没時だったことも会って良い写真がとれました。この写真をとるために人ごみの中で奮闘。写真をとり終わって周りを見渡すと左写真のような人だかりの中でした。車はこの時間は通行不可でしょう。あまりに人が多すぎます。



民宿マルキ
 この日はきちんとお宿を取りました。場所は円月島のすぐ近く。この宿の目的は幻の魚「クエ」。昨日の夕方、谷瀬の吊り橋の駐車場で調べ、予約をしておきました。今回はクエ鍋でいただきました。クエは身の部分は鶏肉のような感じ。皮の近くはゼラチン質でアンコウのよう。この魚は美味しいっす。この日のクエは39kgくらいのもので、食べるには一番美味しい大きさなんだとか。また食べてみたくなる魚です。ただし、このお宿はテレビが100円/時間でした。(民宿マルキ)



10/11



朝の円月島
 朝の円月島です。本日は富山までひたすら帰る予定。せっかくだからちょっとだけ早起きして朝食前に宿の近所を散歩しました。昨日の夕食を食べ過ぎたのでお腹が重かったです。天気は快晴で気持ち良かった。



白良浜
 白浜の名のとおり真っ白な砂浜が広がる白良浜。実はこの真っ白な砂はオーストラリアから輸入した石英の砂なんだそうです。それでもこの白い砂浜はとてもきれい。朝だったからかな。別府、熱海とならぶ日本三大温泉の一つに数えられるのもうなずけます。



 白良浜を散策後、クマ兄さんとペンギン姉さんはひたすら車を走らせます。で、思ったのが和歌山って遠いんだね。片道500km以上もありました。来るときは高速道路を使わなかったのに結構来たんだねぇ。



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